「岡山の奇跡」こと櫻井日奈子さんと黒木瞳さん主演の、香りと一歩踏み出す勇気をくれるサクセスストーリーです。
主人公の若林恵麻は、派遣先でのセクハラを正義感から指摘したものの、理不尽にも契約打ち切り。無職になってしまいます。どん底の失意のなかでふと立ち寄った香水屋で、彼女は運命の香水、そして魔女と呼ばれる女性・白石弥生(黒木瞳さん)と出会います。 その後、フレグランス会社で働き始め、香水の素晴らしさに魅了されていく恵麻。しかし、ここでも先輩社員の嫉妬から罠に嵌められ、またしても契約を打ち切られることに……。でも、今回の恵麻は違いました。この逆境をキッカケに、なんと自ら独立起業することを取り巻く人たちと共に決意するんです。
🎵 今作の「音」と「音楽」の魔法
この映画、タイトル通り「香り」がテーマなのですが、実は「音」の演出が、その目に見えない香りを私たちの耳へと届ける素晴らしい役割を果たしています。
最初に弥生の店で出されたホットチョコレート、それを恵麻が啜ると、熱さとカカオの香りが伝わって来ます。そして、このカカオは物語後半の鍵だったりします。
調香のシーンでガラス瓶がチリンと触れ合う繊細な音、シュッと香水が吹き付けられる瞬間のミストの風切り音。そういった細やかな環境音がとても丁寧に拾われていて、スクリーン(画面)越しなのに、まるで自分の部屋にも良い香りがフワッと漂ってきたかのような錯覚を覚えるんですよね。
そして何より、本作を語る上で外せないのが音楽です。 主題歌「オレンジ」を歌う川崎鷹也さんが、なんと劇中にも出演されています。河原優也というSEで、物語のキーマンです。 歌声の様に、柔らかい役柄で素敵です。
主題曲の「オレンジ」は、彼のハスキーで温かみのある歌声と、アコースティックなサウンドが映画の空気感に本当にマッチしています。
恵麻が理不尽な現実に打ちのめされ、それでも「香りの力」を信じて前を向こうとする瞬間に、そっと背中を押すように流れる音楽のタイミングが絶妙なんです。
💬 総評
香水は、目に見えないけれど、纏うだけで一瞬にしてその人の心を変え、未来を変える力がある。 理不尽な目に遭っても、泥臭く、けれど香りのように美しく立ち上がっていく櫻井日奈子さんの熱演と、川崎鷹也さんの音楽の優しさが重なって、観終わった後はなんだか自分の心もすっきりと「お色直し」されたような、前向きな気持ちになれる作品でした。
映画を観たあとは、お気に入りの香水をひと吹きして、好きな音楽を聴きながら街を歩きたくなりますね。
音楽・サウンドの詳細レビューを準備中です。
作曲家・印象的なシーン・サウンドトラック情報を近日公開予定。