REVIEW No.1409

星の王子 ニューヨークへ行く 2

Coming 2 America

映画 レビュー
Review

オウチ de cinema 第1409作品

『 星の王子 ニューヨークへ行く 2 』

エディマーフィー主演の続編映画

前作からまさかの30年以上の時を経て、あのザムンダ王国の王子アキームが帰ってきた。

今回は王子じゃなくて、いよいよ国王になるという。

だけど、ザムンダの法律では男しか王位を継げない。

娘が3人もいるのに。

どこかで聞いたことがありますね、こんな話。

そこで発覚する、昔ニューヨークのクイーンズで、本人が全く覚えていない間に作ってしまった隠し子の存在。

聞いたことありますね。

というわけで、アキームと忠臣セミが、またしてもあの懐かしのニューヨークへ飛ぶことに。

30年経ってもエディ・マーフィとアーセニオ・ホール、全然老けてないよ、すごい!

相変わらず一人で何役もやってるし、特殊メイクのクオリティが相変わらず凄すぎるし、ちょっと代えのきかない感じですね。

クイーンズのあの理髪店も、当時のまま残っている。

じいさんたちの、相変わらずの中身のないマシンガントーク。

ハサミがチョキチョキ、チョキチョキと軽快に鳴り響く、あの懐かしい金属音。

あの空間のざわめきと笑い声を聴くだけで、一気に前作の空気に引き戻されて、観ているこっちまで嬉しくなってしまう。

で、今回はザムンダ王国側の描写もめちゃくちゃ豪華です。

隣国の独裁者、イジー将軍を演じるウェズリー・スナイプス。

無駄にキレッキレのダンスを踊りながら、軍靴の足音をザッザッと響かせて登場する。

あの真面目な顔で変なステップを踏む姿、そりゃあ笑うわな。

この映画の何が凄いって、宮殿での催し物に本物のレジェンドたちが次々と出てきて、ガチのライブを始めるところ。

音楽映画と言っても過言ではありませんね。

エン・ヴォーグに、ソルトンペッパー。

あの90年代の懐かしい歌声と、ド派手な重低音が宮殿の大空間に響き渡る。

さらにはグラディス・ナイトまで出てきて、名曲をあの圧倒的なソウルフルな声で歌い上げる!

映画のストーリーそっちのけで、ただの超豪華な歌謡ショーが始まっているという。

宮殿でガチのライブが始まるし、超大物たちが、次々と歌うし、まさに贅の限りを尽くしてます。

クイーンズから連れてこられた息子のラヴェル。

急に王子と言われて戸惑いながらも、ザムンダの過酷な「王子の試練」に挑む。

ライオンのヒゲをむしり取る、あの緊迫したシーン。

ライオンのガルウゥーッという、お腹の底をえぐるような重い地鳴りのような唸り声。

ラヴェルの、恐怖でガタガタと震える足音。

そこから、じわりじわりと彼の中に「王子としての覚悟」が芽生えていくのが伝わってくる。

クライマックスに向けて、伝統としきたりに縛られたザムンダ王国が、ニューヨークのストリートの風を吸い込んで、少しずつ変わっていく。

ヒップホップの烈しいビートと、ザムンダのアフリカンな太鼓の音が、お互いのプライドを証明するようにピタッと重なる瞬間。

映画を彩るきらびやかな音楽のなかで、ふっと静かになる瞬間。

アキームが、今は亡き偉大な父・ジャッフェ国王の玉座を見つめる、あの静寂。

あの低く渋い、父親の威厳のある声の残響が、じわりじわりとアキームの心に蘇る。

映画のための綺麗な劇伴なんかじゃない。

じいさんたちのハサミの音、ウェズリーのステップの足音、外れまくったひどい弾き語りの記憶、そして往年のレジェンドたちの生々しい魂の歌声。

そしてエンディングに響き渡るボビー・セッションズとメーガン・ザ・スタリオンの「I'm A King」のアフロビーツラップ。

それ自体が、この30年ぶりの同窓会のようなお祭りを彩る、最高の音楽と集い。

賑やかで、ハッピーで、どこか愛おしい、クイーンズとザムンダ。

エンディング、またみんなで集まって、楽しそうに笑いながらステップを踏むアキームたち。

新しく国王になった彼は、あのクイーンズの自由な風をまといながら、この先どんな賑やかな国を作っていくんだろうか?

楽しみで仕方ないっ!

Music & Sound
Music Review — Coming Soon

音楽・サウンドの詳細レビューを準備中です。
作曲家・印象的なシーン・サウンドトラック情報を近日公開予定。

Trailer
『星の王子 ニューヨークへ行く 2』の予告編を観る
YouTube で検索して開きます
Watch Now — どこで観れる?
Amazon で探す