オーストラリアのドキュメンタリー映画。
世界のあちこちのバーベキューを紹介していて、観ているうちに「美味しそう」から次第にその国地域の文化や歴史が窺える構成となっています。
肉を焼かせたら南アフリカ人の右に出るものはいない。
南アフリカでは1日の終わりに家族や仲間で集まり庭でブライと呼ばれる肉を焼いて食べる習慣がある。
つまり毎日バーベキューをしているのだ。
南アフリカと言えば、肉と赤ワインが主食の国。
そんな国ならではの習慣だ。
ブライは彼らにはなくてはならないレッケルだという。
レッケルとは美味しいとか楽しいという意味。
迫害の歴史を経て、他民族とどう接すれば良いのかを自ら学んだ、そのきっかけがブライだという。
まさにバーベキュー国家なのだな。
日本のバーベキューは、焼き鳥
アメリカの田舎は、常連も旅行者も皆仲良くなれるパブ。
客がみんなで調理した焼き過ぎの肉や、焦げ付いた目玉焼きをパンに乗せて食べる。
モンゴルは、骨を抜き取った皮付きの動物の中に焼けた石を入れて揉み込んで肉を焼く。
幸せはおいしいものを食べる事だけではなく、家族みんなで分け合うことにある。
スウェーデンでは、長い冬が終わると皆で集まりアウトドアで食事をするグリルと呼ばれる文化がある。短い春の訪れの喜びを分かち合うのだ。
フィリピンでは豚の丸焼き。その作り方は、内臓を抜いた豚の腹に、真っ赤に焼けた石をゴロゴロと入れて肉を焼く。プリミティブな調理法で焼き上がった豚を家族一族で分け合って食べる。
ウルグアイは、アサードと言われるバーベキュー文化がある。家庭の暖炉に網を置きスライスした大量の肉をその上に乗せる。焼くのは主に特産品の牛肉。そしてソーセージ。焼き上がると真ん中で半分に開き、円筒状に焼いたパンに挟んで食べる。
アルメニアでは、木の枝に刺したトマトを焼いたり、肉も野菜も串刺しにして真っ黒に焼いたホロバツというバーベキュー文化がある。ホロバツに欠かせないのはウォッカ。肉も野菜もデカイ塊のまま、焼き過ぎなくらい焦がした肉をウォッカで飲るのだ。 移民族だからなのだろうか。
シリアでは、スパイスで漬け込んだ鶏肉を剣に刺し何層も重ねて焼く、ケバブによく似たシャワルマというバーベキューがある。
ケバブと違うところは、シャワルマは焼き上がった肉をナイフで削ぎ落とし、小麦粉を薄く焼いたものに包み、それを切ってさらに並べ、断面にソースをかけて食べる。
アメリカのテキサスは、直火で炙る料理をバーベキューと呼ぶ。なんでも塊で焼き、分厚く切り分ける。巨大なものが好まれるのがテキサスだ。
朝2時に火起こしをして何時間もかけて巨大な肉塊を焼き上げる。そして味付けはシンプルに。それがテキサスの基本。
メキシコでは、バーベキューは、メスカルを飲みながら大サボテンと肉塊を一緒に蒸し焼きにする。
マウイでは、深い穴を掘り石を焼き、その上に肉を置き土をかけて蒸し焼きにする。ハンギというバーベキュー文化がある。
バーベキューの基本は、肉や野菜を焼いて食べる事。
およそ人類が火を使い始めた頃からの最もプリミティブな調理法だ。
焼けた肉が人を繋ぐ。火が人々を繋ぐ。人の心の中には、太古の記憶としてその景色があるのかもしれない。だから、古今東西世界中のどこであってもバーベキューは人々を魅了し続けているのだろう。
今年のドキュメンタリーではNo.1かもしれません。
『 バーベキューの世界 』
PR
音楽・サウンドの詳細レビューを準備中です。
作曲家・印象的なシーン・サウンドトラック情報を近日公開予定。